本体に海洋プラスチックごみを再利用
持続可能な手指消毒ディスペンサーを、との想いから、ディスペンサー本体のグレー部分には、再生プラスチックにテラサイクル社提供の海洋プラスチックを配合した原料を使用しています。
この原料を押出成形の技術で成型、加工して本体を製作しました。
また青いノズル部分には再生PPに海洋プラスチックを配合した原料を使用し、3D Printing Corporation社の3Dプリンターで製造しています。
この3Dプリンターは海洋プラスチックを原料として製造できる技術を持っています。

海洋プラスチックとは?
海洋プラスチックは、長崎県・対馬市の海岸に漂着したごみを回収し、分別、洗浄、乾燥、破砕してペレット状に加工し原料化したものです。
海プラスチックは塩分や砂などの不純物が混ざっている場合やプラスチック自体が劣化しているリスクがあり、再利用する際には、うまく形にならないことや、色など外観への影響があるなど、多くの課題があります。
IoT技術を活用し、
機器のメンテナンス作業を省力化
ディスペンサーに通信機器や重量計を搭載し、薬剤やバッテリー残量をWEB画面で確認することができるため、機器のメンテナンス作業を省力化し行えるようにしました。
みんなが使いやすいデザインに
ユニバーサルデザインを考慮し、本体には日本語と英語の表記に加え、誰にでも理解しやすいピクトグラムを採用しました。
また、大人だけでなく、背が低い子どもや車いすを利用される方々も使用しやすいように、手指を消毒するためのスペースは2種類の高さを用意しています。さらに手を入れるブースを大きくすることで使用時に消毒液が飛び散らないよう配慮しました。




製作にご協力いただいた
企業
【 テラサイクルについて 】
テラサイクルは、「捨てるという概念を捨てよう」というミッションのもと、現在の複雑化する廃棄物問題に対して、革新的で持続可能なソリューションの開発に取り組むソーシャルエンタープライズです。
米国に本社を置き、リサイクル・再生資源・リユースを推進するプラットフォームを構築・運営し世界21カ国で活動しています。
https://www.terracycle.com/ja-JP/
【 3D Printing Corporation
について 】
3DPCは、2016年の設立以来、最先端技術を搭載した3Dプリンターの販売と3Dプリントを活用した受託製造サービスを提供し、部品の高付加価値化、納期短縮、コスト削減に貢献してきました。現在は、さらなるサプライチェーン最適化を目指し、デジタル製造プラットフォーム『Taiga』を開発。3Dプリントにとどまらず、複数の技術を活用して部品製造を実現しています。
https://www.3dpc.co.jp/
製作者の想い

商品開発本部 / サステナブルデザイン開発センター
深澤 恒正
対馬や友が島の海岸でごみの現状を視察し、想像を絶する状況に言葉を失いました。
海洋プラスチックを工業製品に使用することは、品質、製造、コストそして持続性の面で多くの課題があります。しかし、これを手指消毒ディスペンサーのデザインに取り入れることで、海洋ごみ問題への関心を高め、海洋プラスチックの活用事例を社会に共有したいと思いました。
この取組によって行動変容を促し、新たにイノベーションを生み出し、最終的には美しい海を取り戻すことに繋げたいと考えています。
設置場所

- 特定非営利活動法人ZERI JAPANパビリオン
「BLUE OCEAN DOME」ドームC - 万博会場内休憩所1・2